猫・陽のあたる場所: 武田花写真集

猫をテーマにした武田花の写真集で、黒白の美しい写真が魅力。

懐かしい昭和の雰囲気の中で自由気ままに振る舞い、時には厳しい表情を見せる猫たちがモノクロームの写真におさめられています。ごく普通の光景も猫がいるだけで引き締まる気がするのは私だけでしょうか。著者は#武田泰淳の娘で、親譲りの#猫好きのようです

お母さん(#武田百合子さん)譲りの、ちょっと「毒」の入ったエッセイが秀逸です。プッ！と笑えるおもしろさです。
ニャンコの写真集ではありますが、その背景には、切り捨てられ時代に取り残されてゆこうとする弱者、人間社会を描いているのかもしれませ

Amazonレビューより

　

野良猫に貢いだ武田花さんが、野良猫から招待されて、落葉のつもる栖にくりだす日がくる。猫酒など出されて「ちょっぴりしか飲めないんですのよ」と言いながら、猫目石の盃の中を恐るおそる覗くと、飲むと帰れなくなるかもしれない猫界の密が、たわたわと揺れている。
それを飲んだか、そしてどうくつろいだかは、その日が来なければ分からない。もしかしたらば、そんな日はもう在ったかもしれないぞ。そのうららかだった日のことは花さんも忘れていて、カメラ箱を路上の猫に向けると、「忘れたの？花さん、忘れたのでしょ？」と被写体が言っている。
猫界から帰る時、差し出された大きな箱と小さな箱の、その小さな箱の方が、花さんの構えるカメラであったとしたら？
花さんの猫写真を見ると、小さな箱を目に
当てている花さんの姿をこそ、こうして想像
唐 十郎

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